ピーパー推進システム

ベルギーSNCVのピーパーシステム車両。
フランスCGBのピーパーシステム車両の図。

ピーパー推進システム[note 1]別名アンリ・ピーパーシステムは、20世紀初頭にアンリ・ピーパーによって設計されたベンゾールおよびバッテリーを用いる電気機械式動力伝達装置を備えた自動車用および鉄道用のハイブリッド推進システムである。

起源

ピーパーシステムの動作原理 :
1.内燃機関
2.電気モーター
3.クラッチ
4.アキュムレータバッテリー
CGB・SNCV用ピーパーシステム車両の動作原理 :
1.内燃機関
2.電気モーター
3.クラッチ
4.アキュムレータバッテリー
5.台車
6.非駆動輪
7.駆動輪

1800年代の終わりに、ベルギーのエンジニアであるアンリ・ピーパーは、内燃機関(MCI)・ダイナモ・電気モーターを組み合わせる電気式推進システムから脱却する新しい推進システムを開発した。

電気式は確かに実装が容易だが、ダイナモ・電気モーターの両方を搭載するため、重く燃費が悪かった。 一方、多段式のトランスミッションは発展段階であった。非常に軽量の車両の場合は多段式のトランスミッションを省略することも可能であったが、効率が悪かった。

これらの問題を解決するために、ピーパーは、従来の機械式動力伝達装置を備えた内燃機関を使用した。ピーパーシステムでは、内燃機関が一定の減速比で車軸を駆動し、始動、加速、登坂、あるいは鉄道でトレーラーを牽引するときのようなパラレルハイブリッドが検討される特定の作業中に電気モーターが内燃機関をサポートする。ピーパーは、電気モーターに電力を供給するためにバッテリーを追加し、バッテリーを再充電するための電力として、ブレーキ時に電気モーターが発電機として動作することにより生成される電力と、時には内燃エンジンが電気モーターを発電機として駆動することにより生成される電力を用いた。

注釈と出典

注釈

  1. ^ このシステムは、石油電気またはベンゾ電気とも呼ばれる。これらの名前は異なるテクノロジーをグループ化したものである。

参考文献

書籍

  • Chapitres II. 224 et 225 dans René Martin (1920) (フランス語). Traction électrique (Librairie de l'enseignement technique ed.). Paris. Traction électrique 1920. http://cnum.cnam.fr/CGI/fpage.cgi?8CA500/0002/100/870/0034/0838 

雑誌記事

  • Lucien Pahin (21/08/1915). “La traction thermo-électrique à récupération (système Henri Pieper)”. La Lumière électrique XXX (32). http://cnum.cnam.fr/CGI/fpage.cgi?P84.83/177/100/347/0/0. 
  • “Automobiles pétroléo-électrique système Pieper.”. Le Génie civil XLIV 11 (1257): 171. (14/07/1906). https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k6490928t. 
  • Marcel Hegelbacher (11 janvier 1913). “Automotrices pétroléo-électriques système H. Pieper”. Le Génie civil LXII 11 (1596). https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k64898606. 

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